― ご相続の「きほん」 ―
どんなながれ

 

 

たいせつな方のお引継ぎ。

一般的にはどんな流れで進むのでしょう。

 

ご遺族さまによって内容は前後しますが、

多くの方がこんな流れでお手続きされています。

どうぞご参考になさってください。

 


■ ご逝去~約1週間のあいだ 


STEP. 1 ご葬儀の準備

  • 葬儀社とご信教宗派へ、それぞれご葬儀を手配します。
  • 予算やプラン、法要の日程などを打合せし決定します。
  • 病院から受けた「死亡診断書」を葬儀社へ提出します。
  • 訃報連絡や弔辞作成など遺族が行う葬儀準備をします。
    ※通常、死亡診断書(兼死亡届)の役所手続きは葬儀社が代行します。

STEP. 2 役所の手続き

  • 役所で各種保険(国保・後期高齢保・介保など)の資格喪失等の手続きをします。
  • 故人の公的書類(印鑑カード・個人番号カード・各種保険証など)を返却します。
  • 世帯主の変更届や国民年金分(障害・遺族・寡婦)の受給停止等を手続きします。
  • 管轄年金事務所で老齢年金やその他の厚生年金分の受給停止等の手続きをします。
    ※年金事務所に個人番号を提示済の場合は、受給停止手続き(受給権者死亡届)は不要です。

STEP. 3 お通夜・ご葬儀

  • 葬儀社にお任せし、ご信教宗派に応じてお通夜の法要を行います。
  • 概ねお通夜の翌日、ご葬儀・火葬・骨上げ等当日の法要を行います。
  • 火葬後、宗派により精進落とし(僧侶などを招いて会食)を行います。
  • ご自宅で、お供えものと一緒にご遺骨をお仏壇や祭壇等に安置します。


■ ご逝去から約1~2週間のあいだ 


STEP. 4 初期ご法要と四十九日法要の準備

  • ご信教宗派に応じて、7日~10日頃のご法要を行います。
    (宗派等によっては葬儀と同時や行わない場合もあります。)
  • 四十九日法要の準備として、葬儀社やご遺族と日程の調整を行います。
  • 会食、案内状、引出物の要否を話し合い、準備しておきます。

STEP. 5 さまざまな周辺のお手続き

  • 『公共料金等』の解約または名義変更、引落口座の変更を手続きします。
    例)電気・水道・ガス・携帯電話・インターネット・NTT・NHKなど
  • 『公的書類』の運転免許証は警察署へ、パスポートは旅券事務所へ返納します。
  • 『生命保険』は受取人の方が保険会社に連絡し保険金受取りを手続きします。
  • その他各種サービスの解約または名義変更、引落口座の変更を手続きします
    例)クレジットカード・火災保険・自動車保険・各種サービス会員など
    ※手続きによって適切な申出人の証明として除籍・戸籍謄本を求められます。
    ※口座凍結は概ね死亡後1~2か月後に対応されることが一般的です。


■ ご逝去から約1か月半~2か月半のあいだ 


STEP. 6 四十九日(等)のご法要

  • ご信教宗派に応じて、四十九日(等)のご法要を行います。
  • お墓や納骨堂に移動し、ご遺骨をご信教宗派で納骨します。
  • 必要に応じて、会食・引出物・お布施などの対応をします。
  • 相続対象(相続人)の方に、近日連絡することを伝えます。
  • ご信教宗派に応じて、ご自宅でお仏壇に位牌を安置します。

STEP. 7 銀行口座の凍結

  • 死亡と相続人の証明として、あらかじめ除籍と戸籍謄本を取得します。
  • 公共料金や各種サービスの最後の引落しが終わったことを確認します。
  • 残高が正確に確認できるように、念のため凍結前に記帳しておきます。
  • 銀行窓口で除籍・戸籍謄本等証明書を添付して口座凍結を依頼します。
    ※令和2年現在、条件つきで凍結後であっても一部の引出しが可能です。

STEP. 8 相続・準確定申告の準備

  • 相続人の方にそれぞれ連絡し司法書士等への窓口となる方を決定します。
  • 司法書士等と打合せし、遺言書の有無を含め相続財産の調査を始めます。
  • 収入に応じて、故人の最後の所得税の申告(準確定申告)を準備します。
  • 故人が不動産を所有していた場合、不動産業者に売却査定を依頼します。
  • 自動車など、一定額での売却益が想定される物がある場合も査定します。

STEP. 9 遺産分割協議と相続確定

  • 故人の所得・相続人・相続財産が確定したら、相続人全員で集まります。
  • 相続内容を決定して、司法書士等に遺産の分割内容や条件等を伝えます。
  • 後日、書士が作成した遺産分割協議書類に相続人全員が署名押印します。
  • 財産等に応じて相続放棄や限定承認をする場合は裁判所で手続きします。
    ※相続人が集まれない場合は、連絡を取りあい郵送で署名押印も可能です。

STEP. 10 準確定申告と相続税の確認

  • 必要に応じて準確定申告書類にも全員署名押印し、税務署へ申告します。
  • 準確定申告で納税額がある場合は遺産分割協議による配分で支払います。
  • 相続人の対象と相続財産の目録確定により、相続税の概算が分かります。
    ※準確定申告(所得税)は遺産分割協議の前であっても手続きは可能です。
    ※相続税は非課税の方が多いですが、納税見込の場合は予算を検討します。

STEP. 11 相続登記と不動産売却の依頼

  • 遺産分割協議書類の署名押印が揃ったら、司法書士が相続登記をします。
  • 相続登記が法務局に申請されたら、売却を依頼する不動産店を探します。
  • 不動産店に売却額査定を依頼し、利益と相続人分配の概算を把握します。
  • 不動産店に売却活動(購入者さがし)の正式依頼(媒介契約)をします。
    ※上記は、一般に多い「相続した不動産を売却・換金し分ける」場合です。


■ ご逝去から約2~5か月のあいだ 


STEP. 12 相続不動産の売却決定

  • 不動産店が相続不動産を買ってくれる相手方を見つけ申込みを受けます。
  • 買主と不動産店に集まり不動産売買契約をかわし、手付金を受取ります。
  • 契約後、必要に応じローン抹消や解体、測量など引渡しの準備をします。
  • 準備ができたら買主や司法書士と銀行に集まり、売却金額を受取ります。
  • 売却金額の中から、不動産売却にかかった諸経費をそれぞれ支払います。

STEP. 13 譲渡所得税・相続税の申告

  • 不動産を売却後、諸経費を支払って残ったお金を相続人の間で分けます。
  • 売却して得た額は所得です。譲渡所得税として支払う税額を計算します。
  • 事前に確認した相続税と合わせ、必要に応じて各税を申告・納付します。
    ※この各税の申告・納付で、一連のご相続のお手続きは終わりとなります。
    ※相続税も譲渡所得税も税額を緩和する条件をうまく使って手続きします。


これで、一連のご相続のお手続きが終わります。